犬の食べ物管理は非常に重要です。人間にとって安全でも、犬には有害な食べ物がたくさんあります。
誤って与えてしまうと、体調不良や最悪の場合、命にかかわることもあるため、どの食べ物が安全で、どれが危険か、飼い主がそのリスクを知っておくことが大切です。
本記事では、犬にあげてはいけない危険な食べ物やその理由、もし食べてしまった場合の対処法など、日々の生活で役立つ情報を紹介します。
犬が食べてはいけない食材一覧
一口でも危険な食べ物
- 玉ねぎ・にんにく
- 赤血球を破壊する成分が含まれており、貧血や下痢、嘔吐を引き起こします。
- チョコレート
- テオブロミンという成分が含まれ、下痢、嘔吐、筋肉の痙攣などを引き起こします
- ぶどう・レーズン
- 腎不全のリスクがあり、最悪の場合死亡することも。
- キシリトール
- 人工甘味料の一種で、犬の血糖値が急激に下がり、命に関わることもあります。
- アルコール
- アルコール中毒を起こし、ふらつき、意識低下、呼吸困難などが起こります。
- 犬のアルコール中毒量は体重1kgあたり5g程度と言われており、体重5kgの犬であれば、25gを摂取すると中毒を起こして死亡する可能性が高くなります。
ぶどうはパンの中にレーズンとして使われている場合もあるので、注意が必要です。
カテゴリ別 危険な食べ物
- 野菜と果物
- 玉ねぎ、にんにく、ぶどう、アボカドなどは犬にとって有毒です。これらは少量でも健康を害し、特に玉ねぎやにんにくは料理に使われることが多いので注意が必要です。
- 調味料と甘味料編
- キシリトールは人工甘味料として多くの食品に含まれており、血糖値低下や肝臓障害の原因になります。
- お菓子と加工食品編
- チョコレートやコーヒーに含まれる成分は、犬の心臓や神経系に悪影響を及ぼす可能性があります。
多量摂取が危険なもの
- マカダミアナッツ
- 神経系に影響を及ぼし、下痢や嘔吐、筋肉の痙攣を引き起こします。
- 牛乳
- 犬には乳糖を分解する酵素が少なく、下痢などの原因になります。
- レバー
- ビタミンAが豊富ですが、過剰摂取すると中毒症状を引き起こします。
- ビタミンA・ビタミンD
- ビタミンAは、過剰に摂取すると骨や関節に痛みが出たり、食欲不振や脱毛を引き起こすことがあります。与えすぎには注意が必要です。
- ビタミンDは、大量に摂取するとカルシウムのバランスが崩れ、腎臓に負担がかかります。これが進むと腎不全につながる可能性もあります。
※ビタミンAは視覚や免疫系・皮膚の健康に役立ち、ビタミンDはカルシウムとリンの代謝に関わり、骨や歯の健康をサポートする為、犬にとって必要な栄養素ですが、ビタミンは適量が大切なので、栄養バランスの良いドッグフードで管理することが最も簡単で安全です。
加熱しなければ危険な食材
エビやカニなどの魚介類は、生のままでは消化不良や中毒の原因になることがありますが、加熱すると安全に与えられるものもあります。
火を通して与えることで食中毒のリスクを減らせます。
症状と応急処置方法
食材によって症状は異なりますが、共通するのは嘔吐、下痢、ふらつきなどです。
応急処置として、すぐに水を飲ませる方法がありますが、上記の危険な食材を食べてしまったことがわかった際は、速やかに獣医に相談することが推奨されます。
また、食べた量や食材の種類によっても症状の重さが変わるため、危険な食材を食べてしまったことに気付いた際は早めに病院を受診することが安心です。
よくある危険な食べ物と中毒症状
- チョコレート
- テオブロミンにより、2~4時間以内に嘔吐、下痢、興奮、痙攣などが現れることがあります。症状が進むと不整脈や震えが見られることもあり、場合によっては死に至ることもあります。
- キシリトール
- 血糖値が急激に下がり、嘔吐、ふらつき、けいれんなどを引き起こします。摂取後、症状は早ければ30分~1時間以内に現れるため、即時の対処が必要です。
- アボカド
- ペルシンにより、胃腸の不調、呼吸困難、重篤な場合には膵炎を引き起こすことがあります。摂取から数日後まで症状が続くことがあるため、特に注意が必要です。
病気や体質に配慮した注意点
アレルギーのある犬や特定の病気(腎臓病、糖尿病など)を持つ犬に対しては、避けるべき食材も多くなります。
病気によって、摂取すべき栄養バランスが異なるため、事前に獣医と相談しておくことが推奨されます。
犬のアレルギーが起こりやすい食材
食べ物 | アレルギーが起こる割合 |
---|---|
1.牛肉 | 34% |
2.乳製品 | 17% |
3.鶏肉 | 15% |
4.小麦 | 13% |
5.大豆 | 6% |
6.ラム肉 | 5% |
7.とうもろこし | 4% |
8.卵 | 4% |
9.豚肉 | 2% |
10.魚 | 2% |
11.米 | 2% |
最初は食べることができていた食材でも、蓄積されて後からアレルギー症状が出る場合があります。
犬に安全な代替食材リスト
ここでは食べさせてはいけない食材と、その代わりに与えられる安全な食材をご紹介します。
- ぶどう・レーズン
- 代わりにりんごやバナナ(ビタミンやカリウムを含み、甘みがある)。
- チョコレートやキシリトール
- 代わりに自然な甘味のりんごやかぼちゃ・さつまいもなど
- たまねぎ
- 代わりにかぼちゃやズッキーニ
- アボカド
- 代わりにスイカ(水分が多く、暑い時期に最適)。
- ナッツ類
- 代わりにサツマイモやブロッコリー(低カロリーで、犬にとって栄養が豊富)。
危険食材の管理方法と家庭内での工夫
犬が届かない高い棚や専用の収納容器を活用するなど、家庭内で安全に食材を保管することが大切です。
特に好奇心が旺盛な子犬の時期は、様々なものに興味を持って何でも口に入れようとするため、食材だけではなくティッシュやアルコールタオル、たばこなども犬が届かない場所で管理することが大切です。
机の上に食材を放置しておくことも危険です。
まとめ
今回は、犬にとって危険な食材をまとめました。
犬が誤って食べてしまうことがないよう、普段から注意することが大切です。
愛犬にはチョコレートや玉ねぎ、ぶどうなどの危険食材を避け、安全な代替食材としてリンゴやカボチャ、サツマイモなどを与えることで、安心して食事を楽しめる環境を整えましょう。
もし危険な食材を摂取してしまった場合には、症状の発見と早急な応急処置が重要です。