犬と暮らし続けて30年超。
犬の管理栄養士・動物健康管理士の資格を持つ筆者が解説します。
所有資格について
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- ドッグシッター
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- ペット災害危機管理士
計7種
美容や健康など、人が食べても様々な良い効果が期待できる納豆。
ワンちゃんも食べられて、とても良い効果が期待できる納豆は、積極的に与えたい食材の1つです。
今回は、納豆を犬に食べさせるとどんな効果が期待できるのか、適切な量や与える際の注意点などをまとめました。
実際に、我が家の愛犬に納豆を食べさせた効果もご紹介します。
犬に納豆を食べさせて期待できる効果は?
納豆には、たんぱく質・ビタミン・ミネラルなどの栄養素が豊富!
これらは犬の全身の健康をサポートする働きがあります。
犬に納豆を与えると、下記のような効果が期待できます。
- 被毛や皮膚の健康をサポート
- 関節の柔軟性を維持
- 腸内環境の改善
- 病気予防
- 歯の健康維持
皮膚や内臓、関節や口腔ケアまで、幅広い効果が期待できる食材です。
納豆の栄養素と効果
- 被毛や皮膚の改善
特にたんぱく質は被毛や皮膚の健康をサポートします。
適量の納豆を与えることで、被毛がつややかになり、皮膚の健康状態も改善されることが期待されます。 - オメガ-3脂肪酸
納豆に含まれるオメガ-3脂肪酸は、関節の柔軟性を維持し、関節をサポート。
炎症を軽減することで、運動能力を向上させます。
特にシニア犬や関節トラブルのある犬に有益です。 - 免疫力向上と抗酸化作用
納豆には免疫を強化し、体内の酸化ストレスから守る抗酸化物質も含まれています。
犬の免疫力が向上し、病気を予防する効果が期待できます。 - 腸内環境の改善
納豆のネバネバには、水溶性食物繊維がたっぷり含まれます。
水溶性食物繊維は、善玉菌のエサになり善玉菌の増殖を促進。
便を軟らかくし、排便しやすくする作用があります。発酵食品なので、腸内環境を整え、消化吸収を良くすることに繋がり、健康的な排便を促進する効果が期待できます。 - ALPの数値を改善
腸内環境が改善することで、胆管のトラブルが減り、肝臓の状態が良くなる効果が期待できます。
血液検査でALP(アルカリフォスファターゼ※)という数値が高かった時、納豆を食べさせ始めると、数値が下がりました。
※アルカリフォスファターゼ(ALP)…血液検査で測定されて、骨や肝臓・胆管系の健康を示す値として使われることが多い酵素。肝臓や胆嚢の病気以外でも、骨の病気や色々な薬の影響で上がることがある。
ALPだけが高く、他の数値は正常値で、犬が元気で食欲もある場合は、治療は必要無い場合が多い。
※効果には個体差があります。
歯の健康維持
歯垢を放置すると、これらの原因菌が口内で活発に動き、虫歯や歯周病になってしまいます。
- ナットウキナーゼ
この酵素は、血液をサラサラにする働きがあるだけでなく、歯垢に働きかけることで、歯の表面の細菌やプラークを分解しやすくなります。 - ビタミンK2の働き:
納豆にはビタミンK2も含まれています。
ビタミンK2は歯垢に含まれるカルシウムを制御し、歯垢が歯石に変わりにくくなります。 - デキストラナーゼ
この酵素には、歯に歯垢を付着させる粘着性の高い成分「デキストラン」を分解する作用があります。
歯垢が硬くなりにくく、歯を清潔に保つ効果が期待できます。
歯垢の除去: 納豆を噛むことで歯に付着した歯垢が摩擦によって取り除かれます。歯垢は歯の表面に付着した細菌の塊であり、定期的な噛む行為が歯の清潔を促進します。
- ナットウキナーゼの作用: この酵素は、血液をサラサラにする働きがあるだけでなく、歯垢にも働きかけてくれます。ナットウキナーゼが歯垢に働くことで、歯の表面の細菌やプラークを分解しやすくなります。
- ビタミンK2の働き: 納豆にはビタミンK2も含まれています。ビタミンK2は歯垢に含まれるカルシウムを制御し、歯垢が歯石に変わりにくくなります。これにより、歯垢が硬くなりにくく、歯の清潔を保ちやすくなります。
- 噛むことによる物理的な効果: 納豆は噛むことが必要な食品であり、この噛む行為によって歯垢が歯の表面から削られ、取り除かれます。特に、細かい粒子が歯の溝や隙間に入り込んで、歯垢を効果的に掻き出す役割があります。
これらの要素が組み合わさり、納豆が歯垢の形成を抑制し、歯の清潔を維持する効果を発揮します。
納豆には、デキストラナーゼという酵素が含まれています。
こちらには、歯に歯垢を付着させる、粘着性の高い成分であるデキストランを分解してくれる作用があります。
歯垢を放置すると、原因菌が口内で活発に動き、虫歯や歯周病になってしまいます。
腸内環境や口腔内を清潔に保つことは、ワンちゃんの長生きに繋がりますね。
犬に納豆を食べさせる際の適量は?
豊富な栄養が含まれ、犬に与えると様々な良い効果が期待できる納豆ですが、与えすぎは栄養バランスが崩れることに繋がります。
納豆は、おやつとして与える感覚で少量を食べさせるのがおすすめです。
少量でも、十分効果が期待できます。
納豆を適切に与えることで、犬の健康維持を促進し、元気な毎日と長寿命をサポートすることが期待されます。
犬種別の納豆の適量
犬に納豆を与える際の適量は、ワンちゃんの大きさによって異なります。
基本的な目安としては、下記の通りです。
1日の目安
超小型犬 | 小型犬 | 中型犬 | 大型犬 | |
納豆の量 | 小さじ1杯 3~5g程度 | 小さじ2杯 10~15g程度 | 小さじ2杯 25g程度 | 大さじ2杯 25g~40g程度 |
こちらはあくまで「おやつ」として与える際の目安で、犬の体重や個々の健康状態によって変わります。
初めて納豆を与える場合は、少量から始め、様子を見ながら増減させると安心です。
犬に納豆を与える際の注意点
- 添加物に注意する
- タレやからしは除く
納豆に付属しているタレやからしには、添加物が含まれています。
必ず除いてから与えましょう。
- タレやからしは除く
- アレルギーに注意
- 初めて食べる時は注意が必要です。
特にアレルギー体質の犬に初めての食品を与える際は、少量から始め、アレルギー反応を観察すると安心です。
異常が見られた場合はすぐに与えるのを中止し、獣医師に相談しましょう。 - 大豆アレルギー
納豆は【大豆】が主成分であるため、大豆アレルギーの犬は食べることができません。
- 初めて食べる時は注意が必要です。
もともとアレルギー体質のワンちゃんは、食べ続けることで新たにアレルギーが発症する可能性があるため、毎日与えずに間隔をあけて与えると、発症のリスクが低くなります。
犬に納豆を食べさせるおすすめの方法2選
我が家では、納豆をそのまま愛犬に与えています。
6.5kgのシーズー犬
アレルギー体質のため、毎日は与えず、少量(7g程度)を2~3日に1回食べさせています。
スーパーで4つ入りくらいで売っている超小粒納豆(20g)を、1回に1/3くらいずつ与えています。
※からしとタレは除いて納豆だけ与えます。
少量ずつ与えるのに便利です。
小型犬には「ひきわり納豆」もおすすめです。
犬用フリーズドライ納豆おやつ
納豆をそのまま食べさせる他に、フリーズドライの納豆を与える方法もあります。
フリーズドライは粘り気がないので、おやつ感覚で食べさせやすくておすすめです。
▼画像は東京の八幡山【守蔵】さんで販売されている手作りおやつです。
犬用のフリーズドライ納豆の特徴
- 長期保存が可能
- フリーズドライ納豆は水分をほぼ完全に取り除いて凍結させるため、長期保存が可能です。
- 持ち運びに便利
- 持ち運びや保管が容易で、旅行やアウトドア活動時にも便利です。
- 栄養価の保持
- フリーズドライは低温で行われるため、栄養成分の損失が少ない特徴があります。
犬にとって必要な栄養素を保ったまま与えることができます。 - 粘り気はありませんが、納豆の香りがするので、食いつきが良いです。
- フリーズドライは低温で行われるため、栄養成分の損失が少ない特徴があります。
フリーズドライ納豆は、犬用として販売されているものが安心です。
まとめ
今回は、納豆の効果や与え方をまとめました。
犬にも人間にも栄養満点の納豆!
- 被毛や皮膚の改善
- 免疫力向上と抗酸化作用
- 腸内環境の改善
- 歯の健康維持
- ALPの数値を改善
そのまま与えたり、フリーズドライのものも食べやすいです。
与えすぎには注意して、最初は少量からおやつ感覚で与えるのがおすすめです。